KENDRICK LAMARの“黒塗り文書”
社会に議論を巻き起こすための広告表現
CLIENT WORK
ART DIRECTION
GRAPHIC
KENDRICK LAMAR - Advertising expressions to spark discussions in society.
KENDRICK LAMAR - Advertising expressions to spark discussions in society.
KENDRICK LAMAR - Advertising expressions to spark discussions in society.
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2018年のFUJI ROCK FESTIVALで5年ぶりに来日するKENDRICK LAMARのプロモーションのアートディレクション・デザインを担当しました。
ケンドリック・ラマーは世界で初めてヒップホップアーティストとして『ピュリツァー賞』を受賞したことからもわかるように、今日の世界において、音楽という観点のみならず政治的・社会的にも重要なメッセージを発信し続けている人物です。
彼の現在の世界における重要さを日本の皆様に理解してもらうために、政治的・社会的に重要な問題へのアプローチを広告にしました。現在日本社会を大きく揺るがしている、いわゆる『黒塗り文書』などに関する文書のグラフィックを製作し、その黒塗り部分に彼の代表作である『DAMN.』(クソが!)の文字を重ねています。本来は何かを暴くため、抵抗するため、声を挙げるための力である『黒』の力が、何かを隠蔽するため、抑圧するため、声を押し殺すために使われる日本社会への皮肉なメッセージになればいいと考えました。
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史上初のピューリッツァー賞受賞ラッパー、ケンドリック・ラマーの日本における認知向上が課題。総額470万円という限られた予算で、最大限の効果をあげる必要があった。ケンドリック・ラマーを優れたラッパーではなく、かつてのキング牧師やオバマ大統領らとならぶ、強い政治的発言力を持つ “ブラック”の世界最重要人物と捉え直した。当時、日本で大きな政治的話題となっていた「黒塗り文書」の上に、彼の強烈なメッセージを重ねたグラフィックを製作。さらに、グラフィックを「国会議事堂前駅」に掲出し、その場所のもつ文脈を利用することで、SNSで爆発的な話題が生まれるよう工夫。
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グラフィックを「国会議事堂前駅」と「霞ケ関駅」のみに掲出し、その場所の文脈の力を利用することで、最小限の露出で最大限のメッセージ意図の訴求ができるよう工夫。掲出後は、様々なメディアで企画意図の解説記事を掲載。さらにその後、話題が最大化されたタイミングで渋谷の街中にグラフィック掲出を実施し、生活者が実際に撮影しに行ける観光地化させることで、SNSでの自発的な話題拡散を狙った。
グラフィック掲出直後、Twitterトレンドにおいて「ケンドリック・ラマー」と「国会議事堂駅」の関連ワードが1位、3位を独占。合計103にのぼるメディア記事掲載にくわえ多数の著名人の反応を獲得することで、幅広い生活者に対して「ケンドリック・ラマー」を認知させることに成功。さらに、SNSを中心に「不都合の隠蔽」という問題についての議論を巻き起こし、多くの日本人が政治問題について自分から意見を発するきっかけをつくった。
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CLIENTUNIVERSAL MUSIC LLC
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CREATIVE AGENCYGO Inc.
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PRODUCERHARUKI TANAKA
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CREATIVE DIRECTORTAKAHIRO MIURA
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ART DIRECTOR / DESIGNERNORI YOKOYAMA
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COPY WRITERMASAHIRO IIDUKA